新規事業のVoC収集・PoC先開拓ガイド|起点別の進め方・事例・支援会社7社の比較【2026年版】
新規事業のVoC収集とPoC先の開拓は、事業を考え始める「起点」によって進め方が変わります。起点は、素材や技術など「自社の内側にある資産」から始めるものと、顧客や市場の「課題」から始めるものの2系統、6つに分けられます。どの起点でも成果を分けるのは、検証したい仮説に合った相手から課題を聞き、その強さを比べてPoCの相手を絞り込めるかどうかです。外部の支援会社は、専門家の知見を集める「調査・インタビュー型」、協業先と引き合わせる「マッチング型」、事業開発を共に担う「事業開発伴走型」、顧客候補に接触してPoCまで進める「顧客接点の創出・実行型」の4タイプに分けられ、目的によって向き不向きがはっきり分かれます。本記事では、進め方と選び方を整理したうえで、支援会社7社のサービスを公式サイトの公開情報にもとづいて比較します。
この記事について
執筆:株式会社Growth DX 新規事業支援・コンサルティングチーム
本記事は、比較対象の1社でもある株式会社Growth DXが執筆しています。「支援会社7社の比較」までの前半は、各社の公式サイトに掲載されている情報(2026年11月時点)のみをもとに、同じ観点で整理しています。当社のサービス内容や支援事例は、記事後半の「【PR】Growth DXの新規事業支援・コンサルティング」にまとめています。
VoC収集とPoC先開拓とは
- VoC(Voice of Customer)収集:想定顧客に直接話を聞き、課題の強さ、業務の流れ、購買の意思決定プロセスを確かめることです。新規事業では、事業性検証の起点になります。
- PoC先開拓:実証実験(PoC)やサンプル評価に協力してくれる企業を見つけ、実施の合意を取り付けることです。
2つは一続きの工程です。VoCで確かめるのは主に「顧客が解く価値のある課題を持っているか」(課題の検証)であり、PoCで確かめるのは「自社の解決策がその課題を解き、対価を払う価値があるか」(解決策と事業性の検証)です。このため、VoCで課題が強いとわかった企業ほど、サンプル評価やPoC、その後の有償化に進みやすくなります。逆に、VoCを経ずにPoC先を探すと、検証の目的が相手に伝わらず、面談だけで終わることが少なくありません。
新規事業の6つの起点と、VoC・PoCの進め方の違い
新規事業の起点は、まず「何から考え始めるか」で2つの系統に分けられます。自社がすでに持っている資産を出発点に、それを活かせる市場や顧客を探す「アセット起点(シーズ・プッシュ)」と、顧客や市場の課題を出発点に、解決策と自社の勝ち筋を探す「課題起点(ニーズ・プル)」です。さらに、出発点にあるものの種類で分けると、次の6つになります。
| 系統 | 起点 | 決まっているもの → 探すもの | VoCで確かめること | PoCの主な形 | 難しいところ |
|---|---|---|---|---|---|
| アセット起点 | 素材シーズ(素材・化学品・部材) | 素材そのもの → 用途・業界・顧客 | どの業界・用途で、素材の特性が既存品より効くか | サンプル評価、共同評価 | 用途の候補が多く、検証範囲が広がりやすい |
| 技術シーズ(要素技術・研究成果・特許) | 技術の原理・機能 → 製品の形・用途・顧客 | 未顕在の課題があるか、どの業界が最も困っているか | 実証実験、試作品での試験導入 | 顧客が課題を言語化していないことが多い | |
| 製品・設備(既存製品・生産設備・製造ノウハウ) | 製品や生産能力 → 新しい市場・顧客 | 別の業界でも同じ価値が通用するか、何を変えれば使えるか | 既存製品・改良品のトライアル導入 | 既存市場の常識で仮説を立ててしまいやすい | |
| 事業基盤(顧客基盤・販売チャネル・データ・ブランド) | 顧客やチャネル → 新しく載せる商材・サービス | 既存の顧客・チャネルが、何に追加でお金を払うか | 既存顧客へのサービスの試験提供 | 既存事業の収益や取引関係との調整が必要 | |
| 課題起点 | 既存顧客の課題 | 顧客と課題 → 解決策と自社が担う範囲 | 課題のうち、自社の資産で解けて対価を払ってもらえるもの | サービスの試験提供、共同検証 | 個別の要望に引きずられ、横展開しにくい構想になりやすい |
| 新市場・社会の課題(規制、社会課題、技術の変化) | 市場の変化や課題 → 顧客・解決策・自社の勝ち筋 | 誰が最も困っていて、いつまでに解く必要があるか | パートナーとの共同実証、試験導入 | 自社が勝てる理由(参入の根拠)を示しにくい |
社内公募などで生まれた「アイデア」も、どの資産や課題に根ざしているかで、上の6つのいずれかに分類できます。実際には、技術シーズを持ちながら既存顧客の課題から用途を考えるなど、複数の起点を組み合わせることも少なくありません。その場合も、「何を決まっているものとして扱い、何を探すのか」を最初に決めておくと、VoCで聞く相手と質問がぶれにくくなります。
VoC収集からPoC開拓までの4ステップ
- マーケット分析と検証要件の整理:シーズや事業仮説に合う市場を、デスクリサーチやサプライチェーンの分析で洗い出します。このとき「何がわかれば次に進むか」という検証要件と、「どうなったら撤退・方向転換するか」という判断基準を先に言葉にしておくと、インタビューの質が上がり、検証が長引くことも防げます。
- アプローチ先のロングリスト作成:対象企業を個社単位でリストにし、課題を持ちそうな部署と役職まで特定します。業界単位で止めず、部署・役職単位まで落とし込むと、話を聞くべき相手がはっきりします。
- VoCの機会づくりとインタビュー:話を聞く相手の集め方には、専門家ネットワークへの依頼、マッチングサービスでの公募、対象部署への直接のアプローチがあります。業界の知見を広く集めたいのか、将来の顧客候補本人の声を聞きたいのかで使い分けます。設計した質問で、課題の有無だけでなく、頻度、損失の大きさ、現在の代替手段を聞き取ります。
- 課題の強さを比べてPoCにつなげる:インタビュー結果を横断で比べ、課題の強さ(ペイン)を定量化します。比べる観点には、課題の発生頻度、放置したときの損失の大きさ、今の代替手段への不満、予算と決裁の流れなどがあります。課題が強い企業から順に、無償・有償のPoCやサンプル評価を提案します。提案の際は、PoCの成功基準、期間、費用の負担、成功した場合の有償化・本導入の条件を事前に合意しておくと、PoCが「試して終わり」になりにくくなります。

4つのステップをすべて社内で進める企業もあれば、ステップ3のインタビューだけ、あるいはステップ3〜4をまとめて外部に任せる企業もあります。どこを任せたいかによって、選ぶべき支援会社のタイプが変わります。
VoC収集・PoC開拓を支援する会社の4タイプ
VoC収集やPoC開拓を支援する会社は、主に次の4タイプに分けられます。実際には複数のタイプにまたがる会社も多いため、ここでは各社の中心的なサービスで分類しています。なお、大手コンサルティングファームや市場調査会社も、調査・インタビュー型や事業開発伴走型の役割を担うことがあります。
| タイプ | 得意なこと | 向いているケース | 主な会社 |
|---|---|---|---|
| 調査・インタビュー型 | 業界の専門家への短時間インタビュー、アンケート | 仮説づくりのために、まず幅広く知見を集めたい | ビザスク |
| マッチング型 | 技術パートナーやスタートアップとの引き合わせ | 技術パートナーや協業先を募ってPoCを進めたい | リンカーズ、Creww |
| 事業開発伴走型 | 制度設計、アイデア創出、事業開発の受託や共同事業 | 新規事業の仕組みや事業そのものを一緒につくりたい | Relic、AlphaDrive |
| 顧客接点の創出・実行型 | 想定顧客企業への接触、VoC収集、PoCの打診・推進 | 顧客候補に実際に会い、PoCやその先の取引まで進めたい | ステラアソシエ、Growth DX |

VoC収集・PoC先開拓の支援会社7社の比較
比較の対象は、公式サイトで新規事業向けのインタビュー・顧客検証・PoC・協業の支援を掲載している会社から、4タイプそれぞれの代表的な会社を選びました。各社の公式サイトに掲載されている情報をもとに同じ観点で整理し、数値や料金は掲載内容をそのまま記載しています。
| 会社 | 主なタイプ | 話を聞く相手・接点のつくり方 | PoC・顧客開拓 | 規模・実績(公式サイト記載) | 料金(公式サイト記載) |
|---|---|---|---|---|---|
| ビザスク | 調査・インタビュー型 | 登録エキスパートへの1時間インタビュー、BtoBアンケート | 新規事業向けページでは確認できず | エキスパート71万人、累計導入1,800社以上 | 要問い合わせ |
| リンカーズ | マッチング型(技術) | ものづくり企業などのネットワークに技術の用途を提案 | 用途・販路のユーザー開拓(Linkers Marketing) | 提案可能なネットワーク35,000人以上、1提案あたり平均4.2社と面談 | 要問い合わせ |
| Creww | マッチング型(スタートアップ) | 自社リソースを掲載し、スタートアップから協業提案を募集 | 協業提案の募集まで(打ち合わせ以降は2社間) | 連携スタートアップ10,200社超、3か月の掲載で最低5社のエントリーを保証 | 要問い合わせ |
| ステラアソシエ | 顧客接点の創出・実行型(プロジェクト型) | キーマンネットワークを使い、想定ユーザー・決裁者にヒアリング | 決裁者へのPoC打診、顧客開拓まで伴走 | キーマンネットワーク30万名以上(海外含む) | 標準4か月・300万円〜(月額型もあり) |
| Relic | 事業開発伴走型 | 事業開発の受託・共同事業の中で検証 | 検証フェーズをRelicが運営主体として進めるモデルあり | 新規事業開発の支援5,000社以上 | 要問い合わせ |
| AlphaDrive | 事業開発伴走型 | 事業開発家のメンターが社内チームに伴走 | AIプロトタイプ検証の代行(2026年10月開始) | 企業内新規事業の創出支援260社、事業化・会社化250件 | 要問い合わせ |
| Growth DX(本記事の執筆会社) | 顧客接点の創出・実行型(月額型) | ロングリストをもとに、想定顧客の担当部署・決裁者層へ直接アプローチ | PoC・サンプル評価の推進から有償化まで | 新規事業・BtoB事業の支援350社以上 | 月額60万円〜 |
「確認できず」は、公式サイトの該当ページで支援内容を確認できなかった項目です。サービスの有無を示すものではないため、詳しくは各社にお問い合わせください。
各社の特徴
ビザスク
国内外の第一線の専門家に、1時間単位でインタビューできる知見プラットフォームです。業界の構造や商習慣、技術の評価など、仮説づくりに必要な知見を短期間で集めたい場合に向いています。
- 主なサービス:1時間の有識者インタビュー、24時間Q&A、BtoB特化のオンラインアンケート、技術・素材の用途探索(ウェブ展示会)、調査代行、専門家チームによる戦略策定〜実行支援
- 規模・実績:エキスパート71万人(2025年2月時点)、500以上の業界・職種、年間マッチング12万件以上、累計導入企業1,800以上。東証プライム上場企業の5社に1社が導入しているとしています。
- 向いているケース:アプローチする業界を早く把握したい、開発中の技術の妥当性を専門家に確かめたい、想定顧客の属性を絞ってヒアリングしたい
- 依頼前に確認したいこと:話を聞く相手が「業界に詳しい専門家」なのか「将来の顧客候補本人」なのか。インタビュー後のPoC打診や取引につなげる工程を、どこまで支援範囲に含められるか。
リンカーズ
ものづくり企業を中心に、技術パートナーの探索と、自社技術の新しい用途・販路の開拓を支援しています。技術シーズを起点に、まず幅広く用途の候補を当たりたい場合の選択肢になります。
- 主なサービス:技術パートナー探索(Linkers Sourcing)、用途・販路の仮説検証とユーザー開拓(Linkers Marketing)、技術トレンド分析(Linkers TrendMap)、技術・製品PR(Linkers Promotion)
- 規模・実績:提案可能なネットワーク35,000人以上(2026年4月時点)、Linkers Marketingは1提案あたり平均4.2社と面談(2024年7月末時点)。Linkers Sourcingはマッチング700件超としています。
- 向いているケース:技術シーズの用途候補を広く探したい、技術課題を解決するパートナーを見つけたい
- 依頼前に確認したいこと:面談の相手がどの業界・部署・役職になるか。面談後の評価・PoCの推進を自社で担うのか、支援範囲に含まれるのか。
Creww
企業が提供できる経営リソース(技術、顧客、施設、販路など)を掲載し、登録スタートアップから協業の提案を募るオープンイノベーションのプラットフォームです。スタートアップとの協業を起点にPoCを進めたい場合に向いています。
- 主なサービス:協業プログラム(crewwコラボ)。リソースを最大5つ掲載し、3か月間スタートアップに公開して提案を受け付けます。
- 規模・実績:10,200社を超えるスタートアップと連携。3か月の掲載で最低5社のエントリーを保証し、達しない場合は全額返金するとしています。
- 向いているケース:自社のアセットを使った新しい事業アイデアを外部から募りたい、スタートアップとの共同PoCを進めたい
- 依頼前に確認したいこと:打ち合わせ以降は企業とスタートアップの2社間で進むため、PoCの設計や推進を担う社内体制があるか。
ステラアソシエ
大企業の新規事業に特化し、仮説構築から想定ユーザーへのヒアリング、事業案の提言までを約4か月のプロジェクトで進めます。決裁者へのPoC打診や顧客開拓まで伴走するとしており、本記事の分類では顧客接点の創出・実行型に近いサービスです。
- 主なサービス:仮説構築(1か月)→インタビュー準備(2週間)→仮説検証・ピボット(1か月)→サービス案の提言(2週間)。クライアントもインタビューに同行できます。
- 規模・実績:30万名以上のキーマンネットワーク(北米・欧州・東南アジアを含む)。BtoB、特に製造業を得意としています。
- 料金:プロジェクト型で標準4か月・300万円〜。週1回の半常駐などの月額型プランもあります。
- 向いているケース:期間と費用を区切って、仮説検証の結果と事業案を一度まとめたい。海外を含めて想定ユーザーに話を聞きたい。
- 依頼前に確認したいこと:ヒアリングの件数(公式サイトでは「3件〜」)と相手の役職。プロジェクト終了後、PoCの推進や有償化をどう引き継ぐか。
Relic
事業開発の受託、共同事業・JV、スタートアップ投資、スタートアップスタジオなど、新規事業を「共につくる」形のメニューを幅広く持っています。検証フェーズをRelicが運営主体として進め、本格事業化の段階で大企業側に移すモデル(DUALii)が特徴です。
- 主なサービス:事業開発の代行・アウトソーシング(DUALii)、共同事業開発・JV、ベンチャー投資、スタートアップスタジオ(ZERO1000 Ventures)
- 規模・実績:5,000社以上の新規事業開発を支援
- 向いているケース:検証フェーズのリスクやリソースを外部と分け合いたい、レベニューシェアや共同事業の形で事業を立ち上げたい
- 依頼前に確認したいこと:VoC収集やPoCをどの工程で、誰が担うか(公式サイトでは検証の具体的な進め方は示されていません)。
AlphaDrive
事業開発の経験者がメンターとして社内の新規事業チームに伴走し、制度設計、研修、プロトタイピング、アクセラレーションまでを支援します。社内で新規事業を生み続ける仕組みをつくりたい企業に向いています。
- 主なサービス:新規事業制度の設計・研修、アクセラレーション、伴走支援(AlphaDrive AXL)、AIプロトタイプ検証の代行(2026年10月開始)、機能支援チケット(2026年9月開始)
- 規模・実績:企業内新規事業の創出支援260社、アイデア数23,800、事業化・会社化250件(2025年8月時点)
- 向いているケース:社内起業制度を立ち上げたい、社内チームの事業開発力を育てたい、AIプロトタイプで素早く検証したい
- 依頼前に確認したいこと:顧客候補への接触やVoC収集を、社内チームが担うのか支援範囲に含まれるのか。
Growth DX(本記事の執筆会社)
想定顧客の担当部署・決裁者層に直接アプローチしてVoCを集め、PoCの推進から有償化、事業化後の営業・マーケティングまでを月額型で支援しています。サービス内容と支援事例は、記事後半の【PR】Growth DXの新規事業支援・コンサルティングで紹介します。
- 規模・実績:新規事業・BtoB事業の支援350社以上
- 料金:月額60万円〜
- 向いているケース:顧客候補本人に会ってVoCを集め、PoCや取引まで継続して進めたい
- 依頼前に確認したいこと:専門家の知見を幅広く集める用途には、調査・インタビュー型のほうが向いている場合があります。
目的別の選び方
| やりたいこと | 向いているタイプ | 候補になる会社 |
|---|---|---|
| 業界の専門家に早く話を聞き、仮説をつくりたい | 調査・インタビュー型 | ビザスク |
| 技術シーズの用途や技術パートナーを広く探したい | マッチング型(技術) | リンカーズ |
| スタートアップとの協業でPoCを進めたい | マッチング型(スタートアップ) | Creww |
| 新規事業の制度や、事業そのものを一緒につくりたい | 事業開発伴走型 | Relic、AlphaDrive |
| 期間を区切って、顧客ヒアリングによる仮説検証と事業案をまとめたい | 顧客接点の創出・実行型(プロジェクト型) | ステラアソシエ |
| 顧客候補に会い続けながら、PoCから有償化まで進めたい | 顧客接点の創出・実行型(月額型) | Growth DX |
仮説づくりの段階では調査・インタビュー型、検証の段階では顧客接点の創出・実行型というように、フェーズによって支援会社を使い分ける企業も少なくありません。
支援会社に依頼する前に確認したいこと
- 話を聞く相手は誰か(業界の専門家か、将来の顧客候補本人か。部署・役職まで確認する)
- 接点のつくり方(登録者ネットワーク、マッチング、直接のアプローチ)
- 何件のVoCを、どのくらいの期間で集める想定か
- 「VoC → サンプル・PoC → 有償化」のどこまでが支援範囲に入るか
- インタビュー記録、ペインの分析結果、ロングリストなど、手元に残る成果物
- PoCの成功基準や有償化の条件づくりまで支援してもらえるか
- 秘密保持契約(NDA)の範囲、作成したリストやインタビュー記録の扱い
- 契約形態(プロジェクト型か月額型か)、費用、支援開始までの日数
よくある質問
VoCは何件くらい集めればよいですか?
商材や業界によって異なります。目安は、検証したい相手の属性(業界×部署×役職)ごとに、同じ課題が繰り返し語られ、新しい論点が出にくくなるまで聞くことです。質的調査では、同じ属性の相手に十数件ほど聞くと主な論点が出揃いやすいとされます。検証する業界や用途が増えるほど、必要な件数も増えます。
専門家インタビューと、顧客候補へのインタビューはどう使い分けますか?
業界の構造や技術の評価など、知見を短時間で集めたい場合は、ビザスクのような専門家ネットワークが向いています。将来の顧客になり得る企業の課題を確かめ、PoCや取引につなげたい場合は、顧客候補に直接接触する支援会社が向いています。仮説づくりで前者、検証で後者と使い分ける方法もあります。
PoC先の開拓だけを外部に依頼できますか?
依頼できる会社があります。公式サイトの記載では、ステラアソシエは決裁者へのPoC打診、リンカーズは用途・販路のユーザー開拓、Growth DXはPoC先の開拓のみの依頼に対応するとしています。PoCの設計や評価をどちらが担うかは、事前に取り決めておくと安心です。
費用の目安はどのくらいですか?
公式サイトに料金を掲載している例では、ステラアソシエがプロジェクト型で標準4か月・300万円から、Growth DXが月額60万円からです。そのほかの会社は、支援内容に応じた個別見積もりです。
社内で進めるか、外部に依頼するかはどう判断すればよいですか?
想定顧客との接点がすでにあり、インタビューを担える人員がいる場合は、社内で進めるほうが知見が蓄積しやすくなります。新しい市場で顧客との接点がない場合や、検証の期限が決まっている場合は、接点づくりの部分だけでも外部に任せると、検証のスピードを上げやすくなります。
まとめ
VoC収集とPoC先の開拓は、新規事業が「検証」から「売上」に進むための分かれ目です。まず自社の起点がアセット起点か課題起点か、6つのうちどれにあたるかを整理し、何が決まっていて何を探すのかを明確にしてください。そのうえで、専門家の知見を集めたいのか、協業先を募りたいのか、事業を共につくりたいのか、顧客候補に会ってPoCを進めたいのかを決めてから、目的に合うタイプの支援会社を選んでください。
【PR】Growth DXの新規事業支援・コンサルティング
ここからは、本記事を執筆したGrowth DXのサービスと支援事例を紹介します。
支援内容
Growth DXは、「顧客接点を起点とした事業開発」を掲げ、シーズ探求、事業性検証、事業化、事業拡大の4つのフェーズを支援しています。VoC収集・PoC開拓では、次の工程をコンサルタントと実行メンバーの混成チームで担います。
- マーケット分析と、検証要件・ターゲット仮説の設計
- 個社・部署・役職単位のロングリスト作成
- 担当部署・決裁者層への直接のアプローチと、インタビューの設計・実施・同行
- インタビュー結果の横断分析と、ペインの定量化
- PoC・サンプル評価の提案と推進、有償化に向けた条件の整理
- 事業化後の営業・マーケティング戦略の策定と実行
PoC先の開拓のみのご依頼にも対応しており、ご相談から最短2週間で支援を始められます。
顧客候補に直接会える理由
Growth DXは、国内企業の基本情報に加えて、一定の企業については部署単位の情報まで整備した企業データベースを活用しています。これにより、業界単位ではなく「どの企業の、どの部署の、どの役職に話を聞くべきか」までロングリストに落とし込み、部署の窓口に直接アプローチできます。登録者のネットワークの中から相手を探すのではなく、検証したい仮説に合う企業を先に決めてから接点をつくる点が、専門家ネットワークやマッチングサービスとの違いです。
アプローチでは、検証の目的を「売り込み」ではなく「意見を伺いたい」という形で伝えるため、課題を持つ担当者・決裁者層から話を聞きやすくなります。営業・マーケティング支援で培ったアプローチの手法を、新規事業の検証に応用しています。
支援の流れと期間の目安
| 時期 | 主な内容 | お客様にご用意いただくもの |
|---|---|---|
| ご相談〜開始(最短2週間) | 事業の起点と検証したいことの整理、支援範囲とお見積りのご提示 | シーズ・事業構想の資料 |
| 1か月目 | マーケット分析、検証要件と判断基準の設計、ロングリストの作成 | 検証の優先順位、NGとする企業の確認 |
| 2か月目 | 想定顧客へのアプローチ、VoCインタビューの実施・同行、週次での結果共有 | インタビューへの同席(任意) |
| 3か月目 | インタビュー結果の横断分析、ペインの定量化、PoC提案先の選定と条件の設計 | PoCで提供できる範囲の判断 |
| 4か月目以降 | PoC・サンプル評価の推進、有償化に向けた条件の調整、次の市場・用途の検証 | PoCの実施体制 |
期間は、検証する市場や用途の数によって変わります。用途探求のように検証範囲が広いテーマでは、1年以上かけて市場を順に検証していくこともあります。
Growth DXが向いている企業、ほかの選択肢が向いている企業
| Growth DXが向いている企業 | ほかの選択肢が向いている企業 |
|---|---|
| 新しい市場で顧客との接点がなく、顧客候補本人の声を集めたい | 業界の専門家の知見を、短期間で幅広く集めたい(調査・インタビュー型) |
| VoCで終わらせず、PoCや取引まで継続して進めたい | 協業先のスタートアップや技術パートナーを広く募りたい(マッチング型) |
| 社内に、顧客候補へのアプローチを担う人員が足りない | 新規事業の制度づくりや人材育成から取り組みたい(事業開発伴走型) |
| 検証後の営業・マーケティングまで、同じチームに任せたい | 期間と費用を区切り、仮説検証の結果を一度まとめたい(プロジェクト型の支援会社) |
得意な業界と、手元に残る成果物
素材・化学、電機・機械などの製造業、食品、物流、HR・健康経営、ITサービスなど、BtoBの幅広い業界で支援しています。食品業界では素材メーカーを含む60社以上、物流業界ではマテリアルハンドリング領域の支援実績があります。
支援を通じて、次の成果物がお客様の手元に残ります。
- 個社・部署・役職単位のロングリスト
- インタビューの設計書と記録
- ペインの分析結果と、市場・用途ごとの検証結果
- PoC・サンプル評価の提案先と、成功基準・有償化条件の案
支援事例から見る目安の数字
以下は、それぞれ1社のお客様との取り組み事例における目安の数字です。商材や前提条件によって成果は異なります。
| 指標 | 取り組み事例での目安 | 事例 |
|---|---|---|
| VoCの機会 | 約190社 | 素材の用途探求(約2年) |
| VoCからサンプル提供に進んだ割合 | 約6割 | 同上 |
| サンプル提供からPoCに進んだ割合 | 約40% | 同上 |
| 3か月で集めた大手企業のVoC | 34社 | 技術シーズの事業性検証 |
| 新製品1つあたりのVoC | 50〜100件 | 物流ロボットの市場性検証 |
| 商談からPoC、有償化まで | 商談約120件 → PoC 30〜40社 → 有償化10社 | 健康経営向けデバイスの初期顧客獲得 |
事業シーズの起点別の支援事例

素材シーズ × 用途探求:大手商社系ライフサイエンス企業(約2年)
取り扱う素材の新たな用途を探したいものの、新しい市場の顧客と接点がないことが課題でした。20以上の領域で用途の仮説を設計し、決裁者層に直接アプローチして約190社とVoCの機会をつくりました。VoCの約6割がサンプル提供に進み、そのうち約40%がPoCに進んでいます。
素材シーズ × 用途探求:ガラス素材メーカー(約1年半)
「仮説 → VoC → 評価」の流れを用途探索の型として標準化し、軽量化、建材、データセンターなど約20市場を検証しました。約4市場で採用に至り、約6億円規模の継続取引につながっています。
技術シーズ × 事業性検証:東証上場のITソリューション・機器メーカー(初回3か月)
研究開発部門発のDX事業で、未顕在のニーズを検証する方法やターゲットを選ぶ基準が定まっていませんでした。検証する業界を5つに絞り、3か月で大手企業34社のVoCを集め、課題を定量化したうえでPoC候補を2社獲得しました。
製品・設備 × 市場性検証:物流ロボットメーカー(約2年、継続中)
新製品ごとに倉庫現場の需要を確かめるため、業態・規模でリストを作り、現場責任者に直接アプローチしています。1製品あたり50〜100件のVoCを集め、これまでに6製品を検証し、PoC候補は15社にのぼります。
技術シーズ × 初期顧客獲得:大手メーカーの新規事業(健康経営向けデバイス、約1年)
人事部門向けの新サービスで初期顧客がいない状態から、大手企業の人事部門と約120件の商談をつくりました。PoCは30〜40社で決定し、そのうち10社が有償化しています。
既存顧客 × 事業シーズの探求:大手インフラ企業(約1年)
技術から考えると顧客に響く事業にならないという課題から、既存顧客の課題を起点に進める方針を決めました。既存顧客40社にヒアリングし、自社の資産と掛け合わせて2件のサービス構想を策定し、3社でPoCを実施しました。
料金の目安
| プラン | 月額の目安 | 体制のイメージ |
|---|---|---|
| ライト | 60万円〜 | コンサルタント0.1人月+アソシエイト0.5人月 |
| スタンダード | 80〜120万円 | 検証テーマや接触件数に応じて構成 |
| 拡大 | 160〜200万円 | 複数テーマ・複数市場の並行検証 |
人月単価の目安は、コンサルタント200万円、アソシエイト80万円です。別途初期費用50万円がかかり、契約期間は最短3か月からです。詳しい支援内容と事例は、新規事業支援・コンサルティングのページでご覧いただけます。