【保存版】BtoBマーケティング完全ガイド|成果につながる全体設計とオンライン・オフライン施策一覧

BtoBマーケティングの重要性が高まる中、「何から始めればよいかわからない」「施策を実施しても成果が出ない」といった課題に直面する企業は少なくありません。
本記事では、これまでに200社以上のBtoB企業様をご支援してきたGrowth DXが、実践を通じて培ってきたBtoBマーケティングの基本的な考え方から、成果に直結する具体的な施策までを体系的にご紹介します。

本記事をお読みいただいた方への特典として「BtoBマーケティング施策チェックリスト」などお役立ちできるコンテンツもご用意しておりますので、是非ご確認ください。
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BtoBマーケティングとは何か

まず、BtoBとBtoCマーケティングの違いを明確にすることが、成功への第一歩です。

BtoB(Business to Business)とは

BtoB(Business to Business)マーケティングとは、企業が他の企業に対して商品やサービスを販売するためのマーケティング活動を指します。対象が個人ではなく法人であるため、購買決定に複数の意思決定者が関与し、意思決定プロセスが長期化しやすいことが特徴です。
そのため、単発のプロモーション施策ではなく、継続的かつ信頼構築型のアプローチが求められます。

BtoBとBtoCマーケティングの違い

項目BtoBマーケティングBtoCマーケティング
ターゲット企業個人
購買プロセス長期かつ複雑短期、個人の感情に左右されやすい
意思決定者複数人(部署、役職など)個人
検討期間長期間短期間
重視されること信頼、論理的な判断、費用対効果、
業務効率化
感情、流行、価格、デザイン
訴求ポイント経営課題の解決、ROI(投資対効果)個人の欲求、ベネフィット、利便性

特にBtoBでは「信頼の蓄積」が購買を大きく左右するため、コンテンツや接点の質が成果に直結します。

成果を生むBtoBマーケティングの基本ステップ

BtoBマーケティングは、次の4つのステップで構成されます。

  1. ターゲット・ペルソナの明確化
    誰に、何を届けるか? 業種、企業規模、部署、役職ごとに、意思決定者を具体的に設定します。
  2. 顧客課題の整理
    どんな悩みを解決できるか? ターゲットが抱える「業務上の課題」を深く掘り下げ、解決策となる自社の強みを明確にします。
  3. コンテンツの企画
    顧客に価値ある情報を届ける ホワイトペーパー、ウェビナー、事例集など、顧客の検討段階に応じたコンテンツを設計・制作します。
  4. チャネル選定
    どこで、どうやって届けるか? オンライン・オフラインの最適なチャネルを選び、商談獲得に向けた具体的なアプローチを実行します。

オンラインのリード獲得手法

ここからは、BtoBマーケティングにおけるオンラインのリード獲得手法について、Growth DXの知見をもとに体系的にご紹介します。

1. Webサイト/LPのCVR改善を最優先に取り組む

BtoBマーケにおいて最初に取り組むべきは「流入」よりも「CVR(コンバージョン率)」の改善です。集客施策を強化しても、CVポイントや導線が最適化されていなければせっかく集めた見込み客を逃してしまい、機会損失につながります。

  1. CVポイントの多様化
    資料請求、無料トライアル、導入事例ダウンロードなど、ユーザーの興味度合いに合わせた複数のCVポイントを用意しましょう。
  2. 導線設計の最適化
    記事コンテンツには「お役立ち資料ダウンロード」、サービスページには「無料相談予約」といったように、文脈に沿ったCTA(行動喚起)を設置します。
  3. ファーストビューの改善
    3秒でサービスの価値が伝わるよう、キービジュアルやキャッチコピーを洗練させます。
  4. フォーム最適化(EFO)
    入力項目を必要最低限に絞り、ユーザーの離脱を防ぎます。

2. SEO(検索エンジン最適化):費用対効果で戦略を立てる

SEOは、「検索クエリの潜在的な価値」と「受注単価」を掛け合わせて投資対効果を判断すべき施策です。月間検索ボリュームが少なくても、1件の成約が数百万円規模になるキーワードなら、積極的に取り組む価値は十分にあります。

▼ビジネスモデル別のSEO戦略

ビジネスモデルSEO戦略
SaaS指名検索に加え、比較記事や課題解決型の記事で潜在顧客を獲得します。
コンサルティング・受託導入事例や業界別サービスページを充実させ、オウンドメディアで信頼を築きます。
マッチング・メディア型ユーザーの検索意図に沿った構造化された記事を量産し、定期的なリライトで順位を維持します。

3. ホワイトペーパー/お役立ち資料DL:潜在顧客をナーチャリングする

サービスに興味を持つ前の潜在層のリード獲得に有効な施策です。ダウンロード後のナーチャリング(育成)設計とセットで考えましょう。

  • テーマ設定:
    自社サービスの説明ではなく、ターゲットが「業務で抱えている悩み」に焦点を当てて資料を作成します。
  • ダウンロード後の設計:
    ダウンロード後すぐにMA(マーケティングオートメーション)ツールでステップメールを配信したり、関連ウェビナーを案内したりすることで、見込み客を育成し、営業へとつなげます。

4. 広告運用(Google、SNS):目的別に使い分ける

リスティング広告は顕在層向け、ディスプレイ広告やSNS広告は潜在層向けとして使い分けることで、効率的な広告運用が可能です。

  • リスティング広告:ユーザーの検索意図と広告文・LPの内容を一致させ、高いコンバージョンを狙います。
  • ディスプレイ広告:一度サイトを訪問したユーザーへのリターゲティング広告で、検討中のユーザーに継続的にアプローチします。
  • SNS広告:Facebook/Instagram広告で高精度なターゲティングを活用し、資料ダウンロードなどを促進します。Twitter(X)広告は、情報感度の高い層へのリーチに有効です。

5. 導入事例の活用:受注率向上と新規リード獲得を両立させる

導入事例は、見込み客の「共感」と「安心感」を生み、受注率を高める強力なツールです。Webサイト上のCVポイントとしても有効活用できます。

ターゲットに響く事例:ターゲット企業の業種や規模に近い事例を掲載し、自社のサービスを導入した際のイメージを具体的に伝えましょう。
成果の明記:「売上○%アップ」「コスト○万円削減」など、具体的な成果を数値で記載し、タイトルの段階でメリットを明確に提示します。
多用途での展開:Webサイトだけでなく、営業資料や広告にも活用することで、コンテンツの価値を最大化します。

チャット/チャットボットの導入:リアルタイムで顧客と接触する

Webサイトに訪れたユーザーに対して、リアルタイムで対話できる有効な手段です。特に、緊急性の高い「ホットリード」を即座に営業に引き渡すことができます。

7. 外部メディア活用(広告・寄稿):認知拡大と権威性を築く

業界に特化したメディアへの寄稿や広告掲載は、潜在層への認知拡大と、専門家としての権威性獲得に有効です。一度作成した記事は、展示会や営業資料にも二次利用できます。

8. SNS活用(個人/代表アカウント):信頼を築く発信をする

公式アカウントよりも、個人や代表による情報発信の方が、フォロワーとの信頼関係を築きやすい傾向があります。業界の専門知識や支援事例などを中心に発信し、ファンを増やしていきましょう。


オンラインのリード獲得施策は、一つひとつを独立して考えるのではなく、全体の導線設計や営業との連携を意識した統合的な戦略設計が成功の鍵です。貴社のビジネスモデルに合わせた最適な組み合わせで、効率的に成果を最大化しましょう。

オフラインのリード獲得手法

オンライン施策が主流となる中でも、オフライン施策は顧客と直接対面し、信頼関係を深く築く上で不可欠な手段です。ここでは、主なオフライン施策と、成果を出すためのポイントを解説します。

1. 展示会出展

見込み客に直接会える最大の機会です。

▼メリット
短期間での大量リード獲得:潜在層から準顕在層まで、多くの見込み客に一度にアプローチできます。
生の声の収集:顧客が何に課題を感じているか、リアルな声を聞く絶好の機会です。
ブランド認知の向上:競合他社がひしめく中で、自社の存在感をアピールできます。

▼デメリット
高コスト:出展料、人件費、ブース装飾など、費用が高額になりがちです。

▼成果を出すためのポイント
事前準備:ブースの場所選び、資料のデザイン、接客練習など、徹底した準備が欠かせません。
来場者フォロー:展示会後が本番です。獲得した名刺を元に、即座にフォローメールや架電を行う体制を整えましょう。
集客施策:SNSでの事前告知や、来訪予約制度を設けることで、確度の高い見込み客を呼び込みます。

2. セミナー/イベント

テーマに合わせて、見込み客の育成や関係構築を目的とします。

種類用途
製品説明セミナーサービスの具体的な機能や導入メリットを解説し、導入を検討している層を後押しします。
ノウハウ共有セミナー業界トレンドや課題解決策など、潜在層の興味を引くテーマで信頼を構築します。
共催セミナーターゲットが近い企業と共同開催することで、集客力を高め、互いのブランド価値を高め合います。
顧客登壇型セミナー実際にサービスを導入した企業に登壇してもらうことで、説得力と信頼性が格段に向上します。

▼工夫すべきポイント
テーマ設定:参加者の関心や課題に寄り添ったテーマを設定し、参加メリットを明確に伝えましょう。
フォローアップ:セミナー後の個別相談会や、商談へのスムーズな案内を設計することで、獲得したリードの熱量を保ちます。

3.パートナー/紹介/アライアンス施策

既存のネットワークを活用して、効率的に新規顧客を開拓します。

施策例

  • 既存顧客からの紹介:紹介しやすい資料やインセンティブ制度を用意することで、口コミを促進します。
  • パートナー企業との連携:自社だけではアプローチが難しい市場や顧客層に、パートナーのネットワークを通じてリーチします。
  • DM(ダイレクトメール)/手紙:CXOレターや手書きの手紙など、ターゲット企業の経営層に特別感を演出することで、商談機会を創出します。

参考記事:代理店戦略(アライアンス戦略)を成功へ導く ~代理店(パートナー)ビジネスの進め方を徹底解説~

ブランド・認知拡大型施策

企業の専門性や権威性を高め、長期的なブランド構築を目指します。

施策例

  • 自社カンファレンス開催:特定のテーマでカンファレンスを主催することで、業界内でのリーダーとしての地位を確立します。
  • イベント登壇:外部のカンファレンスやイベントに登壇することで、専門家としてのブランドを築き、多くの関係者と接点を持つ機会を得られます。

テレアポ(BDRなども含む)・飛び込み営業

低関与層への直接的なアプローチで、新たな商談機会を探ります。

施策のポイント

  • テレアポ(BDRなども含む):リストの精度やトークスクリプトの最適化が成功の鍵です。
  • 飛び込み営業:地域密着型のビジネスや、対面でのコミュニケーションが重視される業界で特に有効です。

参考記事:BDR(プッシュ型営業活動)施策はなぜ上手くいかない?? ケース別最適な営業施策を解説

オフラインメディア・広告

業界紙や交通広告など、ターゲットに合わせた媒体を使い分けることで、認知度を高めます。

施策例

  • 業界紙・雑誌広告:特定の業界に特化した媒体は、見込み客の関心が高い層に効率的にリーチできます。
  • 交通広告・屋外広告:特定の地域でブランド認知を高めたい場合に有効です。
  • マス広告:予算規模は大きいものの、市場全体の啓蒙や認知拡大に大きな影響力があります。

BtoBマーケティング成功の3つの鍵

オンライン・オフライン問わず、BtoBマーケティングを成功させるには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. 仮説検証の高速化:施策を点ではなく線で捉え、「誰に、何を、どのチャネルで」届けるかの勝ちパターンをいち早く見つけ出すことが重要です。
  2. 営業との連携強化:マーケティング部門が獲得したリードが、確実に商談・受注に繋がるよう、SFA連携や情報共有の仕組みを構築します。
  3. KPIマネジメント:リード数、商談化率、受注率といったKPIを明確にし、データに基づいてPDCAサイクルを回し続けることで、成果を最大化します。

まとめ

BtoBマーケティングに唯一の「正解」はありません。業界や商材の特性、そして企業の目標に応じて、最適な戦略は常に変化します。

本記事でご紹介した多岐にわたる施策は、それぞれが独立したものではなく、すべてが連携して機能することで最大の効果を発揮します。

重要なのは、「誰に、どのような課題を解決できることを、どのチャネルで伝えるか」を明確にし、高速で仮説検証を繰り返すことです。施策を「点」ではなく「線」で捉え、マーケティング部門と営業部門が一体となって運用することで、見込み客との信頼関係を築き、着実に成果へとつなげることができます。

本記事が、貴社のBtoBマーケティング戦略を見直し、次のステップへ進むための羅針盤となれば幸いです。

お役立ち情報

本記事をお読みいただいた方へ特典として、BtoBマーケティング施策チェックリストをご用意させていただきました。
ぜひ自社のマーケティング戦略にご活用ください。

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