大手メーカーの新規事業でVoCを集めた支援実績|737件のアプローチからPoC 4件まで
「新規事業の顧客開拓を外部に任せたとして、実際どれくらいの成果が出るのか」——この問いに具体的な数字で答えている情報は、意外なほど少ないのが現状でございます。
本記事では、Growth DXが実際に支援した大手メーカーの新規事業テーマについて、延べアプローチ件数からキーマン接点、VoCインタビュー、PoC成立までの各工程の実数値を公開いたします。守秘義務のため社名は伏せておりますが、工程と数値はすべて実際のものでございます。あわせて、これから計画を立てられる方のために、取り組み事例に見る活動量と成果の目安、費用の目安も掲載しております。
自社で内製する場合の見積もりにも、外部支援を検討する場合のベンチマークにもご活用いただける内容です。
1. 新規事業のVoC収集はどれくらいの件数で成果が出るのか
本記事でご紹介するB社との取り組みでは、PoC(概念実証)1件あたり、延べ150〜300件規模のアプローチという計算になりました。これはこの1社の実数から逆算した目安でございまして、他の案件に当てはまる比率ではございません。
新規事業のVoC(顧客の声)収集では、「何社に会えば十分か」という問いが最初に立ちます。弊社が支援してまいりました大手メーカーの案件を工程別に分解いたしますと、延べアプローチのうちキーマンとの接点になるのは数%、そこからVoCインタビューに進むのが4割前後、さらにPoC打診が通るのが2割前後という進み方だった案件がございました。
このような工程の分解を先に持っておきますと、「10社に当たってみたが手応えがない」という状況が、仮説の失敗ではなく単に母数の不足である可能性に気づきやすくなります。本記事の以降のセクションでは、この工程を実数値とともにご覧いただきます。

2. 事例①:大手電機メーカーA社(技術起点の用途探索)
技術シーズのみで製品が未完成の段階でも、半年で100数十件のインタビューを実施し、無償PoC 3〜4社の獲得まで到達した事例でございます。
背景:既存営業部門の顧客層では検証先が見つからなかった
A社の課題は、検証先を自力で開拓する手段がないことでございました。FA機器領域で新規事業を推進されていたチームで、技術シーズはあるものの製品は未完成でした。既存営業部門の顧客層とは狙う業界が異なるため、社内の顧客基盤を使った検証先の確保ができない状態にございました。
取り組み:用途仮説を並列に置き、領域ごとにリストを構築した
弊社が担ったのは、用途仮説の並列化と対象企業リストの構築、そしてアウトバウンドの実行でございます。候補となる用途仮説を複数並べ、領域ごとに対象企業をリスト化いたしました。そのうえで、半年間にわたりアウトバウンドで接点を作り、インタビューを積み上げていきました。
成果:半年で100数十件のインタビューと、無償PoC 3〜4社
半年間の支援で、以下の成果に至っております。
- 半年で100数十件のインタビューを実施
- うち3〜4社と無償PoCに発展
- その後有償化し、代理店戦略の検討フェーズへ移行
この事例からの学び:製品の完成を待つ必要はない
製品が未完成であっても、聞き方を設計すれば商談は成立いたします。「この技術で御社の○○の工程がどう変わるかを確かめたい」という置き方であれば、相手は製品のスペックではなく自社の課題についてお話しくださいます。完成を待ってから市場に出るという順序は、新規事業においては必ずしも最適ではございません。
3. 事例②:大手電機メーカーB社(センサー技術の新市場検証)
延べ737件のアプローチから、キーマン接点50件、VoCインタビュー21件、PoC 4件を創出した事例でございます。
背景:市場候補が4領域あり、優先順位がつけられなかった
B社の課題は、どの領域に深いペインがあるかを判断する材料がないことでございました。ミリ波レーダを活用した物理セキュリティ領域の新規事業で、市場候補として倉庫・工場・大型商業施設・物流などが挙がっておりましたが、机上の議論では優先順位が決まらない状態でした。
取り組み:領域を絞らず並行で当たり、ペインの深さで序列をつけた
弊社は、あえて領域を絞り込まずに並行でアプローチする設計を採用いたしました。短期間でVoCを集中的に収集し、収集後に領域ごとのペインの深さをヒートマップ化して、優先領域を確定させていく進め方でございます。事前に「この領域が有望だ」と決め打ちをしない代わりに、量を揃えて事実で判断する方針を取りました。
成果:工程別の実数値
各工程の実績は以下のとおりでございます。
| 工程 | 実績 | 前工程からの通過率(この取り組みでの実数から算出) |
|---|---|---|
| 延べアプローチ | 737件 | — |
| キーマン接点 | 50件 | 6.8% |
| VoCインタビュー | 21件 | 42.0% |
| PoC成立 | 4件 | 19.0% |
延べアプローチ総数に対するPoC創出率は0.54%でございました。なお、表中の通過率はこの取り組みでの実数から算出したものであり、他の案件に当てはまる比率ではございません。対象領域の広さ、商材の説明のしやすさ、投下体制によって、置くべき目標値も結果も変わってまいります。工程ごとにどのような目標値を置いたかの一例は、後述の「取り組み事例に見る活動量と成果の目安」でご覧いただけます。
4. 2つの事例に共通する5つの工程
どちらの事例も、次の5工程を同じ順序で踏んでおります。
- 候補領域の列挙とマッピング(事業インパクト×ペインの深さの2軸)
- 対象企業リストの構築(領域ごとに数十社単位)
- アウトバウンドによるキーマン接点の創出
- VoCインタビューの実施と分析(同席・ファシリテート含む)
- PoC打診と条件調整
このうち、社内リソースで最も欠けやすいのが3番目の「アウトバウンドによるキーマン接点の創出」でございます。仮説の整理やインタビュー自体は社内でも実施できますが、未知の相手に量を揃えて接触し続ける工数が確保できず、そこで止まるケースが少なくありません。

Growth DXの現場から
以下は、これまでの取り組みで観測した事例でございます。すべての案件に当てはまるものではございませんが、計画を立てられる際の参考としてご紹介いたします。
- キーマン接点の6〜7割が、初回接触ではなく2回目以降の接触から生まれた案件がございます。 1回の送付・架電で反応がなかった先を除外してしまうと、母数が実質半分以下になったケースでございました。この案件では、除外の判断は最低でも3接点を経てからという運用に切り替えております。
- VoCインタビューの打診が通るかどうかは、件名と冒頭2行で大きく変わるというケースが少なくありません。 製品名や技術名を前に出した場合より、相手側の業務課題を主語にした場合のほうが、接点化率が高かった案件がございます。B社の案件でも、訴求文面を業務課題起点に切り替えた後半期間のほうが、前半よりキーマン接点の獲得ペースが上がっておりました。
- PoCに進んだ案件の多くが、1回目の面談ではなく2〜3回目の面談で決まったという進み方でした。 初回はあくまで課題の確認となり、PoCの条件調整は別の打ち合わせとして設計しておいたほうが進めやすかったケースが多くございます。
- 立ち上がりに1か月前後を要した案件が少なくありません。 商材勉強会、訴求文面の作成、リスト構築を経て実際にアプローチが動き出すまでの期間でございますので、3か月契約の場合、実質的な稼働は2か月強とお見込みいただくのが現実的なことが多うございます。
5. 実績の数字から読み取れること
この取り組みの工程別の数値からは、母数の確保と接点形成の設計という2点が結果を左右したことが読み取れます。
5-1. この取り組みでは、PoC 1件あたり延べ約184件のアプローチでした
事例②では、737件のアプローチからPoCが4件生まれており、PoC 1件あたり約184件という計算になります。これをレンジで置き直しますと延べ150〜300件規模となりますが、いずれもこの1社の実数から逆算したものであり、他の案件に当てはまる比率ではございません。それでも、「知り合いに数社当たってみる」という規模感とは桁が異なることは、計画時の材料になるかと存じます。母数をどこまで確保できるかは、運ではなく設計で決まる部分が大きいと考えております。
5-2. この取り組みで最も絞られたのは「接点形成」の工程でした
工程別の通過率を見ますと、アプローチ→キーマン接点が6.8%と最も絞られております。一方で、接点ができた後のVoCインタビューへの転換は42.0%でございました。いずれもこの取り組みでの実数から算出した数字であり、他の案件に当てはまる比率ではございませんが、この案件に関して申し上げれば、投資すべきはインタビューの技術ではなく、ターゲットリストの精度とアプローチ手法の改善でございました。
5-3. 通過率は「領域の広さ」と「説明のしやすさ」で変わってまいります
同じ工程を踏んでも、通過率はテーマによって2〜3倍の幅で変わった案件がございます。対象となる企業母集団が大きい領域ほどキーマン接点は積み上がりやすく、また一文で用途が説明できる商材ほど接点化率が高くなる傾向がございました。逆に、用途の説明に前提知識を要する技術シーズの場合は、接点化率が下がる代わりに、接点化した後のVoCインタビュー転換率が高くなったケースもございます。計画時には、この2つの要素を踏まえてレンジで置くことをおすすめしております。
6. 取り組み事例に見る活動量と成果の目安
以下は、ある取り組みで置いた目標値と、その進行の目安の一例でございます。案件ごとに置くべき目標値は変わってまいりますので、御社のテーマに当てはめる前提の数字ではなく、規模感をつかむための参考としてご覧ください。
【3か月・1テーマ】
| 指標 | 体制を小さく置いた場合 | 体制を厚く置いた場合 |
|---|---|---|
| 対象企業数 | 100〜200社 | 300社以上 |
| 延べアプローチ | 300〜600件 | 900件以上 |
| キーマン接点 | 45〜90件 | 135件以上 |
| VoC・商談 | 10〜30件 | 30〜45件 |
| PoC・試験導入の打診 | 2〜6件 | 6〜12件 |
【6か月・1テーマ】
| 指標 | この取り組みで置いた目標値の目安 |
|---|---|
| 対象企業数 | 200〜400社 |
| 延べアプローチ | 600〜1,200件 |
| キーマン接点 | 90〜180件 |
| VoC・商談 | 20〜50件 |
| PoC・試験導入の打診 | 3〜10件 |
| PoC実施合意 | 1〜4件 |
上記は、ある大手メーカー様との取り組みで置いた目標値と、その進行の目安でございます。同社との取り組みでは、延べ737件のアプローチからキーマン接点50件、VoCインタビュー21件、PoC 4件という結果になりました。あくまで1社との取り組み事例であり、Growth DXとして出せる数字の上限を示すものではございません。商材の特性、対象とする領域、ご一緒する体制によって、置くべき目標値も結果も変わってまいります。貴社のテーマに即した目標設計は、個別にご相談のうえ組み立てております。
7. 自社で内製する場合の工数と費用の比較
内製の場合、6か月・対象200社の規模で4.5〜5.5人月の工数を要します。
工程別の内訳は以下のとおりでございます。
| 工程 | 工数の目安(6か月・対象200社) |
|---|---|
| 候補領域の整理とリスト構築 | 0.5人月 |
| アウトバウンド実行 | 2.5〜3人月 |
| 商談・インタビュー対応 | 1〜1.5人月 |
| 分析・レポーティング | 0.5人月 |
| 合計 | 4.5〜5.5人月 |
新規事業部門の人件費を仮に月100万円と置きますと、内製でも450〜550万円相当の工数がかかる計算でございます。一方、弊社のライトプランは月額60万円からのご提供でございますので、6か月で360万円から、領域を絞った検証を開始いただけます。
さらに実務上の差として、内製の場合は既存業務との兼務になることが多く、アウトバウンドの稼働が後回しになって期間が延びる傾向がございます。工数の総量よりも、「毎週一定量の接触を継続できる体制があるかどうか」が結果を左右いたします。

8. Growth DXの支援内容と料金
前述の5工程を、設計から実行まで一気通貫でお引き受けしております。
支援内容:リスト構築とアウトバウンドの実行を弊社が担います
弊社が担うのは、御社の社内リソースでは埋めにくい工程でございます。特に、対象企業リストの構築とアウトバウンドの実行を弊社が引き受けることで、御社のリソースはVoCインタビューと意思決定に集中していただけます。
PoC開始後のプロジェクトマネジメント、および事業化後のGTM戦略の設計・推進まで、継続してご支援することが可能でございます。
料金体系:月額60万円から、最短3か月でご利用いただけます
人月単価は、PM(コンサルタント)が200万円/人月、アソシエイトが80万円/人月でございます。そのうえで、以下の3プランからお選びいただけます。
| プラン | 体制イメージ | 月額 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ライト | PM 0.1人月+アソシエイト0.5人月 | 60万円〜 | 領域を1つに絞って小さく始めたい場合 |
| スタンダード | PM 0.2〜0.25人月+アソシエイト0.5人月 | 80〜120万円 | 1テーマの検証を本格的に進める場合 |
| 拡大 | PM 0.4人月+アソシエイト1.0〜1.5人月 | 160〜200万円 | 複数領域の並行検証や、短期で量を出す場合 |
初期費用は50万円(キックオフ・商材勉強会・検証設計の費用。内容により調整いたします)、最短3か月からお受けしております。金額はすべて税別でございます。
VoC 1件あたりのコストの考え方
Growth DXの取り組みでは、VoC 1件あたりのコストに割り戻しますと、おおむね10万円から15万円、案件によっては20万円ほどになります。単価だけを見れば、インタビューの手配を請け負うサービスより割高でございます。
この差は、担っている範囲の違いによるものでございます。Growth DXでは、対象領域の設計と企業リストの構築、キーマンへの到達、インタビューの実施と分析、そこから導かれるペルソナ仮説の見直し、さらにPoC・試験導入の打診までを、一連の流れとして担っております。VoCの本数を納品することが目的ではなく、次の意思決定に使える材料を残すことを目的としているため、1件あたりに割り戻すとコストは高く出てまいります。
逆に申し上げますと、インタビューの本数だけが必要な場面では、当社よりも適した手段がございます。インタビューの実施そのものが目的であれば、手配に特化したサービスをご利用いただくほうが、費用の面でも進行の面でも合理的でございます。
無料相談でお話しすること:御社テーマの工程別の目標値を一緒に設計いたします
初回のご相談(30分・無料)では、御社のテーマに対してどのような工程別の目標値を置くべきか、その場で試算してお示しいたします。
対象となる企業母集団の規模、商材の説明のしやすさ、社内で確保できる工数の3点をお伺いできれば、「3か月でキーマン接点を何件、PoC打診を何件に置くのが妥当か」を具体的な数字でご提示できます。この数字は、そのまま社内の稟議資料の根拠としてご利用いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q. 費用はどれくらいかかりますか
月額60万円からでございます。領域を1つに絞るライトプランが月額60万円〜、1テーマを本格的に検証するスタンダードプランが月額80〜120万円、複数領域を並行検証する拡大プランが月額160〜200万円でございます。これに初期費用50万円(キックオフ・商材勉強会・検証設計)が加わります。金額はすべて税別でございます。
Q. どれくらいの期間で成果が出ますか
最短3か月から成果指標をご確認いただけますが、立ち上がりに1か月前後を要した案件が少なくないため、実質的な稼働は2か月強とお見込みいただくのが現実的でございます。商材勉強会・訴求文面の作成・リスト構築を経てアプローチが動き出すまでの期間でございます。ある取り組みでは、3か月・1テーマで延べアプローチ300〜600件、キーマン接点45〜90件、PoC・試験導入の打診2〜6件という目標値を置いておりました。これは1社の事例としてはこの程度でしたという数字であり、案件により異なります。PoC実施合意まで到達させたい場合は、6か月での設計をおすすめしております。
Q. 他の営業代行やリサーチ会社との違いは何ですか
アポイント獲得までではなく、VoCの分析とPoC打診まで一気通貫で担う点が違いでございます。営業代行は接点獲得を成果地点といたしますが、新規事業の検証では、集めたVoCから領域ごとのペインの深さを比較し、優先領域を確定させるところまでが必要でございます。弊社はリスト構築・アウトバウンド・インタビュー同席・分析・PoC条件調整までを一つの体制で担い、さらにPoC後のプロジェクトマネジメントとGTM戦略の推進まで継続してご支援いたします。
Q. 社内でどう説明すれば稟議が通りやすいでしょうか
「内製時の工数換算」と「工程別の目標値」の2点をセットでご提示いただくのが最も通りやすい形でございます。内製の場合は6か月・対象200社で4.5〜5.5人月(人件費換算で450〜550万円相当)を要しますので、月額60万円からの外部委託との比較が根拠になります。あわせて、本記事の事例で置いた目標値も、規模感をつかむ参考としてお使いいただけます。ただし置くべき目標値は案件により異なりますので、御社のテーマに即した数字は、無料相談で個別に試算してお渡ししております。
Q. 自社にリソースがほとんどなくても依頼できますか
可能でございます。候補領域の列挙から対象企業リストの構築、アウトバウンドの実行、インタビューの同席とファシリテートまで弊社が担いますので、御社にご対応いただくのは、商材に関する初期の勉強会へのご参加と、VoCインタビューへの同席、そして優先領域に関する意思決定が中心でございます。専任担当者を立てられない場合でも、月数時間のご関与で進行できた案件がございます。
まとめ:数字で計画を立てれば、新規事業の顧客開拓は設計の問題になります
新規事業のVoC収集とPoC創出は、工程別の実績を押さえて母数を設計すれば、進み方を見通しやすい活動になります。
本記事でご紹介した大手電機メーカーB社の事例では、延べ737件のアプローチからキーマン接点50件、VoCインタビュー21件、PoC 4件が生まれております。これは1社との取り組み事例であり、Growth DXとして出せる数字の上限を示すものではございません。3か月・1テーマでPoC・試験導入の打診2〜6件、6か月でPoC実施合意1〜4件という数字も、ある取り組みで置いた目標値の一例でございまして、案件により変わってまいります。
件数そのものは、検証の進み方を測るための指標でございます。取り組みの成果として手元に残るのは、対象領域のヒートマップ、企業リスト、商談記録と失注理由の分類、VoCの分析結果、そして次のフェーズで何を検証すべきかという論点でございます。インタビューの本数を積み上げること自体が目的ではないという点を、あらかじめ共有させていただければと存じます。
そして、最も詰まりやすいのはアウトバウンドによるキーマン接点の創出でございます。ここを外部の体制で埋めることで、御社のリソースはVoCインタビューと意思決定という、本来社内でしかできない領域に集中していただけます。
御社のテーマではどのような目標値を置くべきか、初回のご相談(30分・無料)でその場で試算してお示しいたします。
Growth DXへのお問い合わせ
「自社のテーマだとどれくらいの数字になるか知りたい」といったご相談も歓迎でございます。初回相談は無料でございます。